算多きは勝ち、算少なきは勝たず(孫子)

孫子 算多きは勝ち、算少なきは勝たず

算多きは勝ち、算少なきは勝たず
孫子の名言

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「算多きは勝ち、算少なきは勝たず(さんおおきはかち、さんすくなきはかたず)」という言葉について見ていきたいと思います。

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」の一節

いまだ戦わずして廟算して勝つ者は、算を得ること多ければなり。いまだ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。

算多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるをいわんや算なきにおいてをや。われこれをもってこれを観るに、勝負見わる。

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」は、孫子の兵法の第一章「計篇」で出てくる一節です。この「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」の一節を現代語に訳してみましょう。

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」の現代語訳

そもそもまだ戦わないうちから作戦会議で既に勝つと確信するのは、五事・七計を基に得られた勝利の条件が、相手よりも多いからである。まだ戦っていない段階で勝つ見込みがないのは、勝利の条件が相手よりも少ないからである。

勝利の条件が多い方は実戦でも勝利するし、勝利の条件が少ない方は、実戦でも敗北する。ましてや勝算が一つもないというのは、何をかいわんやである。私はこうした基準によって戦いの行方を観察しているので、勝敗は目に見えるのである。

これが現代語訳になります。

「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」の解説

五事(戦力を検討する5つの基本事項)と七計(戦いの勝敗を決める7つの基準)により、孫子は戦う前の段階で勝敗を予測できました。

算多きは勝ち、算少なきは勝たず

彼我の戦力を比較し、自軍が優っているところが多ければ勝ち、劣っていれば敗れるという論理的な考えを二千数百年前に確立していたところに孫子の偉大さがありますが、その場の思いつきではなく、冷静に自らと相手の戦力を分析した後に勝てる算段をして戦いを挑むということは、現代のビジネスでも重要です。

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