退職代行の料金は?
3種類に分けて費用相場を解説
最近、退職代行サービスを使って会社を辞めた、という人が増えていますが、退職代行サービスを利用する際に気になるのが「退職代行の料金」です。
そこでこのページでは、退職代行を使って会社を辞めたいと思っている方向けに、退職代行の3つの種類とそれぞれの種類における退職代行の料金の相場についてご紹介していきます。
1. 退職代行とは
退職代行の料金について触れる前にまず退職代行サービスについてチェックしておきましょう。
1-1. 退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、会社を辞めたい人に代わって会社へ退職の意思表示を伝えるサービスのことです。退職交渉のプロが退職できない方に代わって会社側と交渉し、素早くスムーズな退職ができるようにしてくれます。
通常、会社を退職する際は2か月〜半年くらい掛かり、その間は上司との面談や会社側からの引き留めなどの障害もあるものですが、退職代行サービスを使うことで、ご自身は会社とやりとりすることなく2週間程度(最短即日退職も!)の期間でスッキリと退職できます。
1-2. 退職代行は何を代行してくれる?
退職代行サービスで代行できる範囲は「会社への退職意思の伝達」と「会社との退職条件の交渉」となります。
具体的には、退職の申請、退職日の交渉、有給休暇の取得交渉、働いた分の給与支払い交渉などを法に則って代行します。その他にも社宅入居中の方の退去日の交渉、離職票などの退職関連書類の依頼なども行います。
1-3. 退職代行は会社との交渉が不可欠
「退職代行」と聞けば「会社に退職意思を伝えるだけ」とお考えになる人も多いのですが、実際に退職代行の業務を滞りなく行うには会社との交渉が不可欠です。
というのも、退職日を決めるのも、退職日までの有休取得を調整するのも、今月分の給与の額や支払日を決めるのも、会社側との交渉事なのです。
この「会社との交渉」については、退職代行を3つの種類に分ける上で重要なポイントになりますので、後程詳しく触れることにします。
2. 退職代行は3種類に分けられる
退職代行サービスを提供しているのが「退職代行業者」ですが、業務をする上での資格や許認可は一切ありません。そのため多様な事業者が退職代行サービスを運営しているのが現状です。
2-1. 退職代行業者の種類
これらの退職代行サービスを分類すると、退職代行業者によって大きく次の3種類に分けられます。
- 弁護士が運営する退職代行
- 労働組合が運営する退職代行
- 一般企業が運営する退職代行
3つの退職代行を詳しく見ていきましょう。
1. 弁護士が運営する退職代行
弁護士は法律の専門家ですが、退職代行についてももちろん行うことができます。
ちなみに弁護士法 第72条には、退職代行で必須となる「会社との交渉」のような「法律事務」について弁護士のみができる独占業務として記載されています。
【非弁行為の禁止】
弁護士法 第72条:弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
つまり弁護士以外が会社との交渉を行うと非弁行為として弁護士法 第72条に違反することになり、原則、退職代行サービスは弁護士しか提供できないということになっているわけです。
ただし他の法律に別段の定めがある場合は弁護士以外でも退職代行サービスを行うことができます。
2. 労働組合が運営する退職代行
そして、弁護士法 第72条での「他の法律に別段の定めがある場合」にあたるのが労働組合が運営する退職代行業者です。
日本国憲法 第28条に団体交渉権として労働者が団結(労働組合)して会社側と交渉する権利が保障されています。
【団体交渉権】
憲法第28条:勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
労働組合が運営する退職代行サービスは、この団体交渉権を法的根拠に非弁行為の適用外として運営しています。
そして退職したい依頼者は退職代行を運営する労働組合へ一時的に加入し、労働組合が依頼者に代わって会社と退職に関する交渉を行うことになります。
3. 一般企業が運営する退職代行
退職代行サービスの運営者が弁護士や労働組合でないものはすべて「一般企業が運営する退職代行」に該当します。
一般企業といっても株式会社や合同会社だけでなく、法律系の士業(行政書士・社会保険労務士・司法書士)が運営する退職代行も「一般企業」扱いとなります。
この「一般企業が運営する退職代行」ですが、弁護士や労働組合のような法的根拠は一切ありません。つまり退職代行の業務の内「会社との交渉」はできない(やると弁護士法違反!)ということになります。
世間では「退職代行は違法ではないか?」と言われることもありますが、まさに「一般企業が運営する退職代行」については違法状態にあり、実際、一般企業運営の退職代行では退職に失敗したり、会社との間でトラブルに巻き込まれるケースが多発している状況です。
2-2. 3つの退職代行「できること・できないこと」
このように適法業者・違法業者が入り乱れている退職代行サービスですが、ご紹介した3つの退職代行について「法律的にできること・できないこと」をまとめたのが、以下の表です。
業務内容 | 一般企業 | 労働組合 | 弁護士 |
---|---|---|---|
退職意思の伝達 | ◯ | ◎ | ◎ |
退職条件の交渉 | × | ◎ | ◎ |
有休取得交渉 | × | ◎ | ◎ |
給与支払い交渉 | × | ◎ | ◎ |
離職票などの請求 | × | ◎ | ◎ |
裁判時の対応 | × | × | ◎ |
見てわかる通り、法的根拠がまったくない「一般企業の退職代行」で適法に行うことができるのは「退職意思を依頼人に代わって会社に伝えることだけ」で、会社との交渉に関わる業務には一切手を出すことができません。
一方、労働組合と弁護士の違いに目を向けてみると、簡単にいうなら訴訟になったときの対応の有無が違うということになります。
我が国では、働く人たちは憲法や労働関係法によって手厚く保護されています。
退職についても同様で、通常の正社員は法律(民法)で退職の申し出から2週間経過すると会社の意向にかかわらず自動的な退職が認められていますし、契約社員の場合は民法の規定こそありませんが、就業を継続できないやむを得ない事情(妊娠・出産・子育て・親族の介護・本人の病気など)を伝えれば退職が可能です。
もし会社が退職する従業員を訴えても、従業員側によほど大きな落ち度(例えば、会社の重要設備を壊して辞めた等)がない限り確実に敗訴するだけですので、会社側も辞める従業員を訴えるようなことはしません。退職代行サービスについては、実質的に弁護士と労働組合の違いはほとんどないといえるでしょう。
3. 退職代行の料金相場は?
ここまで退職代行の3つの種類について見てきましたが、いよいよ本題の「退職代行の料金相場」をご紹介します。
3-1. 退職代行の料金相場
退職代行の料金を運営会社別にまとめたのが以下の表です。
一般企業 | 労働組合 | 弁護士 | |
---|---|---|---|
掛かる費用 | 1〜2万円 | 2.5〜3万円 | 5〜10万円 |
退職代行サービスは料金は1万円〜10万円とかなり幅がありますが、運営会社別で見ると 一般企業:1〜2万円・労働組合:2.5〜3万円・弁護士:5〜10万円といった料金相場になっています。
一般企業運営の退職代行は料金的に金額が一番安いのですが、法的に退職代行に必要な各種調整・交渉ができないということを考えると「お金を払ってトラブルになった」ということにもなりかねず、おすすめできません。
一方、法的根拠に基づいて運営される労働組合・弁護士運営の退職代行サービスですが、業務内容自体はどちらもほとんど変わりありません。運営に関わる違いを中心にまとめてみると、
- 代理人として依頼するため依頼時の手続きが若干煩雑
- 会社との訴訟になった場合、そのまま引き受けてくれる(別料金)
- “弁護士価格”で退職代行費用が高い(料金の相場は5万円〜10万円)
- 組合員として会社と交渉するため労働組合への一時的な加入が必要
- 万一会社との訴訟になった場合、別途弁護士に依頼する必要がある
- 弁護士に比べ退職代行費用は安い(料金の相場は2.5万円〜3万円)
退職代行サービス自体は労働組合・弁護士ともに大差がなく、訴えられる可能性はほぼゼロに等しいことを考えると、あえて料金が高い弁護士を選ぶメリットはなく、料金相場が安い労働組合運営の退職代行を利用するのが良いでしょう。
ただし、会社とかなり揉めている状態で退職するような場合は、弁護士の退職代行を検討することも必要です。
4. 退職代行選びで気をつけたいポイント
退職代行の料金がわかったところで、ここからは退職代行を選ぶ際に気をつけたいポイントをご紹介していきます。
3-1. 基本的には労働組合運営の退職代行を選ぶ
日本では働く人たちは憲法や労働関係法によって手厚く保護されており、退職に関連して訴えられるリスクは考えなくてもよい状況です。
前章で労働組合と弁護士の退職代行の違いは、訴訟になったときの対応の有無と触れましたが、退職代行では料金の高い弁護士に依頼することは “オーバースペック”。働いた分の給料はもらった上でできるだけ早く会社を辞めたい、というのであれば、コスパの観点から労働組合運営の退職代行で十分です。
3-2. 労働組合運営に見えて一般企業運営のケースに注意
退職代行業者の中には「労働組合運営」と謳っていながら、実際には一般企業が運営している場合があります。この “偽装労働組合” は一般企業運営の退職代行に分類され、法的根拠なく運営している退職代行です。
こういった業者は代金振込先の銀行口座名で見分けることができます。
代金振込先の銀行口座名を聞いてみて振込先の名義が労働組合でなく会社名の場合は、“偽装労働組合” が運営する退職代行業者ですので依頼するのは控えるようにしましょう。
3-3. 組合加入費が必要か確認する
労働組合が運営する退職代行では「団体交渉権」を使って会社と交渉する関係で、退職が完了するまでの間、運営元の労働組合に加入する必要があります。
そして労働組合加入の際に「組合加入費」が必要となる業者もあります。組合加入費は2,000円〜3,000円のところが多いようですが、退職代行料金にプラスで掛かってきますので組合加入費込みの総額料金で比較するようにしましょう。
ちなみに私ども「退職代行リーガルサービス」は労働組合運営として最安級の25,000円(税込)ですが、組合加入費を含めて追加費用を一切いただいておりません。
退職代行業者選びで気をつけたいポイントを見てきましたが、その内容をまとめると以下のようになります。
- 労働組合運営の退職代行がコスパ良くおすすめ
- 代金振込の銀行口座が労働組合名義か?
- 労働組合への加入費を含めた総額料金で比較する
退職代行リーガルサポート
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料金最安級 25,000円(税込)
組合加入費も無料!
5. 退職代行の利用の流れ
次は退職代行サービスを利用する際の流れを見ておきましょう。
参考までに私ども退職代行リーガルサポートの流れをまとめていますが、他の退職代行業者でもほぼ同様の手順と考えて良いでしょう。
6. 退職代行 よくあるご質問
最後に退職代行サービスについてお客様からよくいただくご質問をご紹介します。
- 本当に会社の人と会わないで退職できますか?
- はい、会社の人と会うことなく退職できます。会社との調整はすべてこちらで行うので電話でやり取りする必要もありません。
- 退職代行を使うと会社から訴えられませんか?
- 退職する自由は法律で認められた働く人の権利です。会社側が訴えても従業員側に余程の落ち度でもない限り確実に負けるため、訴えられることはありません。
- 退職前に引き継ぎをしなければいけませんか?
- 引き継ぎは退職に際して絶対にしなければならない“義務”ではありません。その意味では引き継ぎをしないで退職しても問題はありませんが、引き継ぎをしてから辞めて欲しいとこだわる会社が多いのも事実です。会社側が態度を硬化させないよう簡単でも良いので引き継ぎマニュアルを作成して郵送すると良いでしょう。
- 会社から連絡は来ないですか?
- ご本人への直接連絡はしないよう会社側へ念押してお伝えさせていただきますが、まれに連絡されてしまう場合もございます。会社側とのやり取りはすべてリーガルサポートで代行させていただきますので、万一、会社から連絡があっても出る必要はございません。
退職代行リーガルサポート
安心の労働組合運営で
料金最安級 25,000円(税込)
組合加入費も無料!
7. まとめ
今回は退職代行の3つの種類とそれぞれにおける退職代行の料金の相場についてご紹介しました。
退職代行には大きく3つの種類(弁護士・労働組合・一般企業)に分けられますが、料金はできる業務範囲で変わり「弁護士 > 労働組合 > 一般企業」の順で高くなっています。
適法で退職代行を実施できる労働組合と弁護士に限って料金相場をみると、労働組合:2.5〜3万円・弁護士:5〜10万円となっていて、労働組合が運営する退職代行を選ぶのがコスパ的に最適です。
なお労働組合の退職代行を選び際は、労働組合の運営のように見えて実際は一般企業が運営していたり、労働組合への加入費用が別途掛かったりするケースもあるので注意が必要。
この2点に気をつけることで、安心して依頼でき、コスパも良い退職代行選びができるはずです。
- 代金振込の銀行口座が労働組合名義か?
- 労働組合への加入費を含めた総額料金で検討する
このページの内容があなたのスムーズな退職につながることを祈っています。
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『退職代行リーガルサポート』について
名称 | 退職代行リーガルサポート |
運営者 | 合同労働組合「私のユニオン」 |
所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿三丁目3番13号 西新宿水間ビル6階 |
業務内容 | 退職に関連する労働問題の解決・サポート |